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「せんば」な年越し方言

今年も残すところわずか。街では忙しく車が行き交い。イルミネーションが点灯。字のごとく「師走」ムードが高まっていく。


年賀状を書きながら、クリスマスツリーを飾り、サンタさんのプレゼントを心待ちにしながら、ケーキやチキンをみんなで囲む。その数日後には大掃除を行い、おせちや注連飾りなどを準備しなければならない。そこに仕事納めなど行事も加わる日本人の年末、ははなはだしく忙しいのである。


そのご褒美が年越しそば、紅白歌合戦、カウントダウン、除夜の鐘、お年賀、お年玉。初詣の類い。一夜にして慌ただしさを浄化してしまうような勢いを放つリセット力も我ら日本人の偉大なる文化なのである。


そのような忙しさをよく表していると思うこの街の方言が「せんば」に代表される「〜ば」だ。動詞「する」を「すっ」となまり、「しない」を「せん」で表現。その「せん」の語尾に「ば」を付けると不思議や不思議。標準語の「〜しなくてはならない」の意味を持つのである。


この法則は、例えば「投げんば」「歌わんば」「踊らんば」などほとんどの動詞に適用できる点も面白い。


          【用例】

    「あっ!! ケーキば取りに行かんばやった

    「はよ、寝かせんば、サンタの来らさんぞ

    「自分が用意せんばって言うたたい

    「私は料理ばせんばっちゃけん、行ってきてさ

    「換気扇もきれいにしとかんばよ

    「そがん言うても、せんばことの多かっちゃけん

    「あっ!! 洗車もせんばやった

    「あいもせんば、こいもせんばって、やぐらしかぁ

    「今年はちゃんと勉強せんばぞ

    「今年も仲ようせんばね!