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「スープカレーチャンポン」

 
 お待たせしました。 本日のお料理はターボシェフがスティック(腕)を振るいました「スープカレーチャンポンwithザ・ベスト・オブ・サンタナ」でございます。情念のギタリスト、サンタナ様のギターをBGMに、心ゆくまでご堪能くださいませ。という影アナウンスが聞こえてくるような気品高き湯気を上げ、カウンターの上で拙者に食べられるのを待っている。chyanp6.JPG

「よか香りやね。そいにしてもえらい、野菜のたくさん入っとんね」
「うん、季節で代えるばってんね。特にパプリカが相性のよかとさ、見た目ももっとカラフルかよ」
 残念ながら本日は、パプリカの彩りは楽しめないが実に具だくさんだ。
 
 どぎつくないカレースープはほどよいちゃんぽんベースの風味も残している。麺は通常のちやんぽん麺のようだが、スープとの絡み具合が 独特だ。クリーミーな味わいは、ちゃんぽんと言うより、スープパスタをいただいているような感覚でもある。なるほど、これは単にちゃんぽんにカレーを混ぜただけのカレーちゃんぽんではないぞ。と言うより、ちゃんぽんとはまったく別物、オリジナルの味である。

 長崎ちゃんぽんの定番であるキャベツ、タマネギ、もやし、ニンジンはもちろん、アスパラ、カリフラワー、ブロッコリー、コーンな色とりどりの野菜類。小エビやイカなど魚介類に混じり、目を引くのがベーコンである。普通は長崎ちゃんぽんは豚肉が入るが、器の中に豚肉はひとかけらも見当たらない。これら多彩な具類とスープの相性が実によい。麺がなくともひとつのスープ料理としてもいただける感じがする。

 おう!? なんだこりゃ? 器の底に向日葵のタネみたいな物体が潜んで入るぞ? 
「ターボさん、こい何?」
「あぁ〜、カルダモンかね」
 インドのチャイやカレーに使う香辛料だな。そうか、クミンやコリアンダーなどいろんなスパイスがこのクリーミーなスープの大きな隠し味となっているのだ。

「あっ、スープば少し残しとかんばよ。ご飯ばやるけん」
 「えっ、ご飯も付いとると?」
「うん、そのまま食べてもよかけど、最後にスープに混ぜて食べてみてん」
 とターボさんが微笑む。
 うどん、ラーメンの替え玉ならぬ、ちゃんぽんに替え、いやいや追加めし?chyan5.JPG

  麺はなくなったが、まだ点々と具が残っている淡いイエロースープの中に、お皿のライスを入れて、レンゲで軽くかき回す。お〜う、これは酒を飲んだ後にも旨そうな、カレー・スープ雑炊(正確にはスープカレーライスか)のできあがりだ。パスタ感覚の麺のときとはまたひと味違う味わいが口に広がる。2度おいしい、ボリュームたぷりのちやんぽんであった。

 うっ〜満腹、満腹。みんなが噂していた、ちゃんぽん食って一安心。ちなみに女性客も今のところご飯まできちんと平らげたそうだある。これもターボさんのスープ&ミュージック・マジックなのだろうか。 (長月)