「カレーちゃんぽん」
佐世保のミュージシャンを中心に口コミでちょとしたブームを呼んでいる、ちゃんぽんがある。ドラーマーのターボさんが営む「音食亭Brownie」のメニュー「スープカレー・チャンポン(これが正式名称)」だ。
サンディトリップのAYUMIちゃんや松千の千草ちやんも噂をかぎつけ食べたと聞いた。あのハウリン伊達丸までが「…!?エッ!? まだ食べとらんと…・?」などと(O_O) こんな顔しやがったのが、なんだか、非常にしゃくにさわり、急いで食いに行くことにした。
「ターボさん、みんながワイワイ騒ぎよるカレーちゃんぽんば、オイにもいっちよ作ってくれんかね」
「おい、わかた。ただ今日はパプリカの切れとるけど、よかね?」
うむっ??……ちゃんぽんに、パプリカ?
「よかよか。とにかくみんなが旨か旨かって言いよるカレーちゃんぽんば作って〜。ここの開店するとば待って昼めしば抜いたもんけんが、腹減ったぁ〜」
「お〜い分かった、ちょい待っとってね〜」
ターボさんは拙者の前に水とおしぼりを差し出すと、まずデッキのCDをチェンジした。店内にサンタナのジャンゴが高らかと鳴り響く♪〜
「カレーちゃんぽんば作るときはサンタナばかけると?」
「うんにゃ、別に決まっとらんけど、今日はなんとなくサンタナ…」
ターボさんはカウンターを隔てたオープンキッチンの中でフライパンに火をつけた。天才ギタリスト、カルロス・サンタナが繰り出す情熱的なギターサウンド。ラテンの香り漂う音楽空間で、フライパンを降るターボさんの背中と腕の隙間から、ときおり野菜群が跳ねるのが見える。それはまるでリズムに合わせてジャンプしているよう。
左手にフライパン、右手に菜箸を持つターボさんの後ろ姿はスティックを操るドラマーのようにスイングして見える。なるほど、音の食亭という屋号通り、ここは音楽を一緒に食べさせる店なのであるな〜とサンタナのギターソロに聴き入りながら感心していると、店内に食欲をそそるスパイシーな香りが広がり始めた。
ブラック・マジック・ウーマン〜♪が鳴り出してしばらくしたころ、
「はい。お待たせ〜」
カウンターの上についに待望の「スープカレー・チャンポン」がその姿をあらわにした。よし、いよいよ佐世保のミュージシャンたちが騒いでおる異色ちゃんぽんのお味拝見である。いかほどに美味なのか? 拙者“巻太郎左衛門”がとくと味わってゴザソウロウ。 ※次回へつづく! (長月)