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「ピカデり」

P1010018.JPG P1010004.JPG 久しぶりに「まちの記憶」を紐とこう。
 小生は高校時代このピカデリという映画館で「エデンの東」や「小さな恋のメロディー」など名作リバイバル上映をよく楽しんだ。

 昭和32年の開館から洋画専門館として親しまれてきた映画館だが、昭和の後半は東宝作品の直営館に変わった。近年では「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」で行列に並んで映画を楽しんだ記憶を持つ人も多いはずだ。

 明治時代に鎮守府が置かれ、村から市へ大きく成長した佐世保は海軍の街として料亭や娯楽施設も早くから栄えた。昭和の初めには九州有数の劇場といわれる佐世保座という洋館づくりのおしゃれな劇場(後の第三中央〜日活中央〜東宝中央)をはじめ、千日劇場など本格的映画館が街のあちこちにできた。
 
 敗戦後、米海軍の街としての顔を持つようになると、今度はキャバレーやダンスホール、レストランが続々誕生。しかし、朝鮮動乱の特需景気がおさまると、キャバレーやホールはどんどん映画館に姿を変えた。昭和の佐世保人の想い出でもあるカズバ、グランド、スバル、ピカデリー、テアトルダービー、国際、富士……などだ。
 
 東宝中央や東映もそうだったが、洋館を利用した劇場には2階席が独特の雰囲気を放っていた。特にカズバやピカデリといった大型館の2階特別席は別料金が必要だったので、子供の頃は憧れの場所だった。

 ちなみにこのピカデリは2年前に閉館した。 地方にもシネコンスタイルが普及した現在、ホール感覚の昔の劇場に昭和の想い出が蘇ってくる。白黒写真はオープンしてまもない頃の同劇場だ。

 ゴジラシリーズから百恵&友和シリーズ、「日本沈没」「八甲田山」「悪魔の手毬歌」「太陽を盗んだ男」などを観た東宝中央。「未知との遭遇」「人間の証明」「エレファントマン」などを観た東宝プラザ。
 
 まんがまつりから松田優作の遊技シリーズまで観た東映。「十戒」「大地震」「ジューズ」「エイリアン」など大作にふれたカズバ。
 
 「燃えよドラゴン」「エクソシスト」などに驚いた太陽。盆と正月はスバル座に行けば寅さんに会えた。
 
 休憩時間に首から箱を下げてサンドウィッチやジュースを売り歩いていた日活のおばさんの姿も懐かしい。

 映画館にも「まちの記憶」がたくさん眠っている。      (師走)