鹿北町なんて知ってる?旅では行かないよ
穴場を探して走ったら、平山温泉を発見!

  前に行ったドライブで熊本県鹿北町に面白い滝があったと記憶してたので行ったら、大雨の後で凄かった。自然はいっぱいでいいけど、記事ネタが足らないので山鹿市まで下った。平山温泉といういい湯に出会った。
山鹿は装飾古墳の宝庫だ。5世紀から7世紀にかけて約200年の間に作られた装飾古墳で有名なのはチブサン古墳と、このオブサン古墳だ。出土した石人は東京国立博物館に収蔵展示されている。

鹿北町なんて知ってる?旅では行かないよ
穴場を探して走ったら、平山温泉を発見!

 日帰りで行けるドライブなんて、もう行き尽くした。さあ、どこにしようと毎月悩むのだけど、「八月は納涼気分の滝もいいな」と、鹿北町まで行くことにした。
 八女インターで降りて向かう途中の立花町に、『黒岩橋』というまだ充分に暮らしの中に生きている石橋を見つけた。石橋好きとしては、立ち止まらないわけにはいかない。その秀麗な橋は、やはり肥後の名石工として名高い、橋本甚五郎が架けたものだった。架橋の明治二十五年が、「稔」と刻まれているのが面白い。米が実る周期を一年としたのが「稔」の意味だ。
 峠を越えると鹿北町だ。『道の駅かほく・小栗郷』は、新鮮野菜だけでなく、食事も散策も楽しめるところ。木製のトンネルがオブジェとなって、緑の森の中にあった。
 山道を岳間渓谷まで走ると、途中で道が壊れていた。通行止めのそこには名水の水汲み場があって、たくさん人が訪れていたのには驚く。
「うまい水ですよ」と勧められて飲む。確かにうまいけど、こんな山奥まで来るガソリン代が高いだろ。
 岳間渓谷は流れが砂岩を削って出来たもので、吊り橋が架かって、清流が奇妙な渓谷美を見せていた。
 幸の国健康温泉館『ゆ〜かむ』で、地元野菜が中心のバイキングを食べる。水車がゴットンまわって、500円で温泉もジムも出来る健康ランド。お昼のついでにザブン。
 緑はいっぱいだけど、どうも記事にするには情報が足らない。やはり山鹿に向かおう、と国道3号線を南下する。
途中で入手したパンフに「やまが温泉六湯郷めぐり」とあった。それに『平山温泉』と知らない記述が。これは行かずばなるまい。藁葺きの豪華な宿や立ち寄り湯などが新しく出来て賑わっていたが、そこで見つけたのは入浴料150円の『平山温泉センター』。番台にはおばあちゃんが絵のように。
「日本一の泉質と低料金の大衆浴場」とあったが、少し熱めのまさに天然かけ流し温泉。温泉好きには絶対勧めたい、一押しだよ。
 山鹿市は古墳が多いところ。『チブサン古墳』『オブサン古墳』などがある。山鹿市博物館がある古代の森で、歴史のお勉強。庭に『大坪橋』という用水橋が移設保存されている。通潤橋につぐ全国二位の用水のための眼鏡橋だ。
 そして向かったのは『八千代座』。そろそろ百年になろうとする大衆演劇の芝居小屋。回り舞台など昔のままに使える。周辺は景観事業がなされていて、落ち着いた風情。レトロな喫茶店で飲んだ一杯点てコーヒーが美味かった。


立花町にある『黒岩橋』。二重橋や通潤橋を架けた、橋本甚五郎が架けた。
新鮮な野菜を売っているだけじゃない『道の駅かほく・小栗郷』だんご汁が美味しいそうな。
岳間渓谷に向かう途中にある水汲み場には、名水を求めて車が並んでいた。
岳間渓谷の急流は凄い。砂岩の上を走るように流れ、滝となって滝つぼに落下。
豪華な温泉宿もあるけれど、『平山温泉センター』は150円で、かけ流しの天然温泉を楽しめる。
乳房のような二つの丘を持ったチブサン古墳。隣にはオプサン古墳がある。
山鹿市博物館には菊池川中流域に存在する古墳などの発掘品がある。入場料210円。
石炭で賑わった頃に作られた芝居小屋『八千代座』。坂東玉三郎の舞踊公演があるときは大騒ぎ。


掲載日:2007年09月03日