日本一長い吊り橋が完成して、九重町は大賑わい
紅葉が鮮やかな季節になった

佐世保市の友好姉妹都市である『九重町』、久住の山々と飯田高原を持つ、自然豊かな山の町である。そこに新しく、日本一の吊り橋が出現した。
新しく日本一の吊り橋が九重町に誕生した。390mのスケール。揺れる橋を渡ると、そこから三本の滝が望めた。中でも『震動の滝』は雄大だ。もう少しすると足の下が赤や黄の絨毯になる。橋の往復料金は中学生以上500円、小学生200円。

日本一長い吊り橋が完成して、九重町は大賑わい
紅葉が鮮やかな季節になった

 龍門温泉郷、壁湯、宝泉寺温泉郷、川底温泉、筌の口、湯坪、長者原、筋湯温泉郷、賽の地獄。
 『九重九湯』といわれるように、九重町には温泉が多い。雄大な自然に包まれた町で、町村合併の嵐の中でも、孤高に合併をしないで、ちゃんと黒字経営をしている町だ。そして今回、20億円の建設費をかけた夢大橋も、すべて町の財源だという立派さ。オープンした10月30日に行ったのは、その渡り初めを撮ろうと思ったのだが、少し舐めていたようだ。なんと渡るのに行列して2時間半もかかったよ。
 昨年の大水害で九重町の温泉、特に筋湯は大被害を受けた。紅葉の名所である『九酔渓』への道も交通止めに長いことなっていたが、峠の名物茶屋であった『桂茶屋』も再建され、新しくなった。そしていま一番ホットな話題は、『九重”夢“大吊橋』が日本一の長さと高さを誇って完成したことだ。長さ390m、高さ173m。鳴子川の谷に架かり、いまの季節なら足の下に紅葉が見え、『震動の滝』など三本の滝が見えるという絶景パノラマ。通行料は500円。
 橋を渡って汗をかいたので、その近くにある『筌の口温泉』に。少し熱めの褐色のお湯で、共同湯は200円。
 そこからまっすぐ九重の町中を抜けると飯田高原へ。ススキの原の向こうに九重連峰の一つ、三股山が望める。
 長者原に出てくねくね道を登って牧ノ戸の登山口まで行く。例年より遅いようだけど、ここまで上るとさすがに紅葉が鮮やか、風もひんやりしてくる。登山者の姿を見かける。彩りを楽しむ秋の山登りもいいだろうな。
 さて、高原リゾートの楽しみは温泉の他にもいろいろある。『やまなみ牧場』でジャージー牛のしぼりたてで作ったソフトクリームや新鮮牛乳を味わう。牛の牧場があったり、たくさんのカモがいたりと、まさに牧歌的なところ。
 なんだか心まで牧歌的になって、ちょっと馬に乗ってみたい気分に。『エル・ランチョグランデ』で乗馬を試みた。少し視界が高いだけでなんだかいい気持ち。馬の背に揺られる気分がこんなにいいものだとはね。
 日帰り旅の最後に、九湯の中からもう一つお湯に入ろうと地図を見た。どうせなら鄙びた露天風呂がいいなあ、と選んだのが『壁湯』だ。温泉宿は福元屋の一軒だけ。ここは川沿いの岩の壁からお湯が湧き出ている、まさに壁湯だ。男女混浴の共同湯もあって、足元の石の間から湯が湧いていた。少し温めだから30分は入らなくてはいけないようだ。入浴料200円を無人の箱にチャリン。のんびりと川音を聴きながら秋の夕暮れ……。
 自然と豊かなお湯で九重町は二重○。


細い蛇行の九酔渓では車酔いする人もいるだろう。そこで一休みするのが桂茶屋。
初日だったからラッシュ状態。揺れるのが怖いやら嬉しいやら。
震動の滝は落差93m。吊り橋の上から楽しむことが出来る。
筌の口温泉の共同湯は200円。少し熱めでいい湯だよ。
ススキの草原の向うに久住の山。まだ噴煙を上げて勇壮な景色だ。
牧の戸の登山口あたりはすっかり鮮やかな紅葉世界。
乗馬の試み。グランド一周1000円。俄かカーボーイ気分だね。
壁湯温泉の立ち寄り湯は、福元屋400円。共同湯は200円。


掲載日:2006年11月20日