日田豆田町と湯布院、うみたまご
日帰りじゃ大変だけどさ……。

まったく違う三つのスポットを駆け足で訪ねてみた。
大分県はまったく色々な観光としての顔を持っているね。
「うみたまご」の水槽の向こうには別府湾が広がって、見方によっては一体化して海に繋がっている。海から生まれたという意味だろう。自然の生態を学ぶ水族館は、驚きも提供しなくてはならないので、どうしてもスケールアップする。

日田豆田町と湯布院、うみたまご
日帰りじゃ大変だけどさ……。

今回は番外編。このコースで日帰り観光なんて難しい。ライフの社員旅行で一泊したついでに記事にしたというわけ。まさに、日帰らないドライブだ。
 まず豆田町に行く。日田ICで高速道を降りてすぐだ。水郷と日田杉、そして儒学者広瀬淡窓が知識としてあるけど。今もその豪商の屋敷が並ぶ豆田町。江戸幕府の天領だったときはどれほどの賑わいだったことか。
 最近、観光化が進んで町並みが綺麗に整備された。それはそれでいいのだが、昔の懐かしさが消えたようで味気ない気分。まあ、江戸時代の天領だった街並みがこれほど残っているのも珍しい。元禄年間の建物も残る商家「草野本家」。ここは県指定の文化財で、雛人形が飾られていたが、4月は端午の節句の飾りがある。
「天領日田資料館」は、日田に生まれた文人たちの書が飾られ、天領の歴史が学べる。なぜか館の前で車夫がロックギターを奏でていたよ。
「広瀬資料館」の前に「珈琲談義所・嶋屋」がある。商家づくりの甘味所で、古の佇まいの中でジャズの調べがお洒落だった。他に、クラフトショップや造り酒屋もあって楽しめる街角だ。
 日田から湯布院へ。ここで温泉宿に泊まるのだけど、その前に由布岳の裏、鶴見岳の山裾にある「塚原温泉」へ向った。PH1.4の高い酸性で、湯につかった後は十円銅貨のような鉄分の香りだ。少し山を登ると、活火山の風景が開けて驚く。パックリ火口が開いて、地獄さながらグラグラ煮立っている。
 湯布院散歩。どこから行こうかと迷うほど小さな見どころがあちこちにある。ショップや土産物屋、金鱗湖。由布院美術館はちょっとした落ち着きで、佐藤渓の絵はいい。
「レトロモーターミュージアム」はまさに懐かしの車がずらり。夕日の三丁目のミゼット。キャデラック、ムスタング。エルビスやコニー・フランシスが出てきそうな雰囲気だったよ。
 泊まりは離れ屋からなる「ほてい屋」。藁葺きと囲炉裏端が旅情を誘う。もちろん露天風呂でくつろいだ後は、もちろん宴会だ。  翌日は雨模様。高速を飛ばして大分マリーンパレス水族館「うみたまご」へ行く。結構楽しめるね。やっぱりここは家族連れ、とくに子どもと来るといいだろうね。セイウチやトド、イルカのアトラクションも楽しめる。
 仕上げは、別府の「杉ノ井パレス」の展望露天風呂「棚湯」。棚状になったお湯に浸って、街と別府湾を一望に見下ろす豪華さ。ときには日帰らない旅もいいもんだ。


天領だった頃のゆったりした町並みが残されている日田豆田町。店々が並ぶ路地を散歩すると、水郷の疎水がチロチロと。
塚原温泉の火口はグラグラ煮立っている。噴煙か湯気か判らないけど、とにかく活火山の迫力満点だ。
懐かしい名車が並んだ湯布院の「九州自動車歴史館」。レトロでノスタルジックな気分だ。入場料800円。
「天領日田資料館」は天領だったころの日田の歴史が人目で判る。入場料、300円。
「由布院美術館」は木と竹と土を使った素敵な空間。古墳に似た美術館には、無名だった佐藤渓の渋い絵が展示。入場料、600円。
「うみたまご」の人気者はセイウチとトド。そのアトラクションが子どもたちを喜ばせていた。入場料、1890円。
水生動物に手でタッチ出来るプール。子どもに大人気だった。
さまざまな魚が見られるのだけど、イソギンチャクとクマノミの姿は心を癒してくれたなあ。


掲載日:2006年04月21日