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2007年02月16日

「ぽると」

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 以前、長崎市在住のロックンローラー、狩須魔緒さん(ファンタージーズコアのヴォーカリスト)と話しをしたとき、「あのネオンの中にレコード会社を作るのが夢だったんですよ」と語った。その憧れの延長で「ポルトレーベル」というレーベルを立ち上げたということだ。
 
 残念ながら、かつて戸尾町上空にそびえた、このボール型看板は15年前(H4・春)に老朽化にともない撤去されてしまった。ビルの屋上で佐世保の名菓「ぽると」をアピールした大型球形ネオンだ。
 
 銀座にあった森永製菓のネオンをヒントに昭和40年頃建造された。もちろん企業の広告塔なのだが、昭和という時代の中心市街地を輝かせた実にシンボリックな存在だった。

 昭和の佐世保人は、消費者金融の看板ではなく、ちゃんぽん、ラーメンの香り漂う駅地下街やアーケードを歩いたり、このネオンを見たときに「佐世保に帰って来たぜ」と実感していたのである。

 玉屋のおもちゃ売り場を見下ろせるレストランや屋上のモノレールと同じく、僕ら“20世紀少年”に夢を見せてくれたシルバーメタリックの「ぽるとボール」。それは「ウルトラマン」の科学特捜隊、「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊に通じる近未来感をも放っていた。現在この一角は開発で新地になった。当時の名残りはなにもない。  (如月)

2006年12月08日

「ピカデり」

P1010018.JPG P1010004.JPG 久しぶりに「まちの記憶」を紐とこう。
 小生は高校時代このピカデリという映画館で「エデンの東」や「小さな恋のメロディー」など名作リバイバル上映をよく楽しんだ。

 昭和32年の開館から洋画専門館として親しまれてきた映画館だが、昭和の後半は東宝作品の直営館に変わった。近年では「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」で行列に並んで映画を楽しんだ記憶を持つ人も多いはずだ。

 明治時代に鎮守府が置かれ、村から市へ大きく成長した佐世保は海軍の街として料亭や娯楽施設も早くから栄えた。昭和の初めには九州有数の劇場といわれる佐世保座という洋館づくりのおしゃれな劇場(後の第三中央〜日活中央〜東宝中央)をはじめ、千日劇場など本格的映画館が街のあちこちにできた。
 
 敗戦後、米海軍の街としての顔を持つようになると、今度はキャバレーやダンスホール、レストランが続々誕生。しかし、朝鮮動乱の特需景気がおさまると、キャバレーやホールはどんどん映画館に姿を変えた。昭和の佐世保人の想い出でもあるカズバ、グランド、スバル、ピカデリー、テアトルダービー、国際、富士……などだ。
 
 東宝中央や東映もそうだったが、洋館を利用した劇場には2階席が独特の雰囲気を放っていた。特にカズバやピカデリといった大型館の2階特別席は別料金が必要だったので、子供の頃は憧れの場所だった。

 ちなみにこのピカデリは2年前に閉館した。 地方にもシネコンスタイルが普及した現在、ホール感覚の昔の劇場に昭和の想い出が蘇ってくる。白黒写真はオープンしてまもない頃の同劇場だ。

 ゴジラシリーズから百恵&友和シリーズ、「日本沈没」「八甲田山」「悪魔の手毬歌」「太陽を盗んだ男」などを観た東宝中央。「未知との遭遇」「人間の証明」「エレファントマン」などを観た東宝プラザ。
 
 まんがまつりから松田優作の遊技シリーズまで観た東映。「十戒」「大地震」「ジューズ」「エイリアン」など大作にふれたカズバ。
 
 「燃えよドラゴン」「エクソシスト」などに驚いた太陽。盆と正月はスバル座に行けば寅さんに会えた。
 
 休憩時間に首から箱を下げてサンドウィッチやジュースを売り歩いていた日活のおばさんの姿も懐かしい。

 映画館にも「まちの記憶」がたくさん眠っている。      (師走)
 

2006年08月21日

「まちの記憶」

 映画「オールウェーズ」はDVDになっても人気。コンビニにスーパーヨーヨーが付いた復刻版コーラが並ぶ。食玩おまけも昭和を題材にしたものが目立つ。昔は「回顧」という言葉に、縁側でエコーでもくゆらせながら「あの頃は芋ばっかり食ったな…」と爺さんが記憶を辿っているようなイメージを持っていた。が、近頃は30代そこそこの輩が「わ、懐かしい!」と学校給食のレプリカフィギュアなんかを手に取って喜んだりする。
 
 拙者も「スイカの漬け物食いたいぜ!」「くじらのステーキ食いたいぜ!」とキース・リチャードの字幕スーパー口調(英国で「ぜ!」はどう表現するのか?)で昭和を懐かしむことが増えた。せいぜい20年〜30年前の記憶だが、平成の世では得ることができない何かを求める感がある。

 それは深い郷愁や回顧というより、アルバムをめくりながら想い出を整理している感覚にも似ている。今の人間は日々膨大な情報を頭にぶち込んでいる。脳のメモリー容量のことはよく知らないが、眠っているときに見る「夢」が脳内をシャフルしているようなことを何かで書見した覚えがある。
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 もしや、最新データ優先の頭の中は、自己の古いデータを整理する作業ができなくなているのか(?)。 過去を振り返る映画、音楽、アニメ、ヒーロー、フィギュアはそういった古いデータを開くツールとして大活躍しているのかも。          

 そこで、拙者もツールを探してみた。名づけて「まちの記憶」! ありましたぞ。旧佐世保駅舎解体中の写真だ。「わ、懐かし〜い! 鞄と手荷物をたくさん持ってこの回廊を行き来したよね〜」わずか4年前の光景であるが、すでに「プチ懐かし」の感覚。人の頭の中と同じく都市の記憶も日々消去の連続。ごみ箱の中こそ大切な記憶の宝庫なのではござらぬかあ〜。(文月)