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「呑助日和」

mina1876.JPG発泡酒が一段と旨い季節になった。まだ明るい休日の夕刻、自宅でいつもよりかなり早めの晩酌は、格別な開放感をもたらしてくれる。

さて、今日の肴は何にするかな…。近所の市場スーパーを巡り、あれこれと物色してまわるのも胸が弾む。先日、大宮公設市場の生産者直売所に、みな貝が入荷していた。岩場でみな取りに夢中になった若き日が懐かしくなって西海市産の海の幸を購入した。
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手慣れた漁師さんは身がほどよく頭を出す塩茹でのコツを知っているのだろう。料理屋の突き出しや茹でてあるみなを購入し場合は、爪楊枝で簡単に身を取り出せる。しかし、この日手に入れたのは生のみな貝。自宅で鍋に塩を入れて煮沸していただいた。こういったプロセスも呑助のかけがえのない楽しみである。

磯の香りを漂う美味。小粒ながらも、サザエを贅沢に食べているような喜びと風味が漂う。コツコツと身を取り出す地道な作業もどこかカニに通じ、二百円でプチ幸せ気分も味わえた。

続いてスーパーでパック詰めされたボイル済みのイイダコを購入した。以前、フィッシャーマンにもらった時の味を思い出して無性に食べたくなったのだ。タコ君よ。頭に詰まった米粒状卵の食感が特に良かったよ。だから君たちは「イイたこ」という称号いただいたのだね。海の恵みに感謝しながら、しばらくパックの中に収まったピンク色に染まったイイダコさんたちを感慨深く見つめた。ii1864.JPG

このままいただくのはいまひとつ味気ない。お皿に盛って、付属の酢味噌もいいけど、刺身感覚でポン酢、いやワサビ醤油、いやいやショウガだ、などと口に運ぶまでの準備に思いを巡らせる。これもまた呑助のかけがえのない楽しみである。

料理屋風に盛りつけよう、かと皿にあれこれ配置しているうちに、偶然できたのがイイダコの「小さく前に習い!」配列だ。なかなかイイよ。エイリアンって言うか、人類が長年空想してきた火星人のイメージも表現しているではないか。(皐月)