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2008年05月28日

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「呑助日和」

mina1876.JPG発泡酒が一段と旨い季節になった。まだ明るい休日の夕刻、自宅でいつもよりかなり早めの晩酌は、格別な開放感をもたらしてくれる。

さて、今日の肴は何にするかな…。近所の市場スーパーを巡り、あれこれと物色してまわるのも胸が弾む。先日、大宮公設市場の生産者直売所に、みな貝が入荷していた。岩場でみな取りに夢中になった若き日が懐かしくなって西海市産の海の幸を購入した。
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手慣れた漁師さんは身がほどよく頭を出す塩茹でのコツを知っているのだろう。料理屋の突き出しや茹でてあるみなを購入し場合は、爪楊枝で簡単に身を取り出せる。しかし、この日手に入れたのは生のみな貝。自宅で鍋に塩を入れて煮沸していただいた。こういったプロセスも呑助のかけがえのない楽しみである。

磯の香りを漂う美味。小粒ながらも、サザエを贅沢に食べているような喜びと風味が漂う。コツコツと身を取り出す地道な作業もどこかカニに通じ、二百円でプチ幸せ気分も味わえた。

続いてスーパーでパック詰めされたボイル済みのイイダコを購入した。以前、フィッシャーマンにもらった時の味を思い出して無性に食べたくなったのだ。タコ君よ。頭に詰まった米粒状卵の食感が特に良かったよ。だから君たちは「イイたこ」という称号いただいたのだね。海の恵みに感謝しながら、しばらくパックの中に収まったピンク色に染まったイイダコさんたちを感慨深く見つめた。ii1864.JPG

このままいただくのはいまひとつ味気ない。お皿に盛って、付属の酢味噌もいいけど、刺身感覚でポン酢、いやワサビ醤油、いやいやショウガだ、などと口に運ぶまでの準備に思いを巡らせる。これもまた呑助のかけがえのない楽しみである。

料理屋風に盛りつけよう、かと皿にあれこれ配置しているうちに、偶然できたのがイイダコの「小さく前に習い!」配列だ。なかなかイイよ。エイリアンって言うか、人類が長年空想してきた火星人のイメージも表現しているではないか。(皐月)


2008年05月20日

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「景色って誰のもの?」


kesiki0018.JPG大黒町から福石中学校校門方向を見下ろしながら坂道を下っていると、海と船が高速道路の上に浮かんで見えるアングルに出会う。ちょっぴりトリッキーで、なかなか佐世保ぽい風景だ。

ここは僕がかつて、登下校していた坂の多い通学路。競輪場は今も同じ位置だが、切り開かれた裏山には駐車場やみなとインターができ、さらに建設中の高速道路が駅方向へと延びた。

佐世保湾を見下ろす高台に暮らしていた人々が見る景観は、このようにここ10年ほどで大きく変わってきている。中でも駅周辺開発で商業施設やマンション、ホテルなどが次々と立ち並んだ三浦町界隈の変化は目覚ましい。

ところが、白南風や山祗、峰坂町など見晴らしのよかった山の手の住宅地では、新しい建物によって佐世保湾の眺めが遮られた家庭もある。長年ベランダや窓から見えていた海辺の景色が変わったのである。
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どこの街でも都市の景観条例などに基づいて開発が行われている。しかし、市民一人一人の窓辺の景色まで、国や行政がデザインしたり管理したりしている訳ではない。「花火の見えんごとなった…」と言う呟きは誰の耳にも届かないまま街はスピーディに変化を続けている。

景色とは、誰のものなんだろう? (皐月)

2008年05月15日

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「たけやと表現」


僕が育った天神町に懐かしい駄菓子屋がある。幼い頃に毎日のように通い「ババコヤ」の愛称で親しんだ20世紀少年少女の社交場だ。今も建物はそのまま昔の面影を静かに残し煙草や学校指定の体操服などを取り扱っているようだが、さすがに駄菓子屋としての賑わいは消えたようだ。その脇から細い路地を下っていくと左手の森の中に馬頭神社、さらに下ると住宅地が広がる。
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普通の民家が点々と佇む閑静な住宅の中に旨い和食を楽しませてくれる店がある。ということをつい最近になってイラストレーターのアジサカコウジ氏より聞いた。何でも遠く県外からも噂を聞きつけお客さんがやって来るという隠れた名所だという。

ホームグラウンドであるわが町内にそんな名所があったとは……。しかし、ご近所過ぎてなかなか一見客として暖簾を潜れずにいた。そこで、これまたご近所であるサックス奏者の浦崎健治さん、マリンバ奏者の山ヶ城陽子さんにその話をしたところ、「そうそう、とってもいい店だって知人に聞いたんです」という返事が返ってきた。「今度一緒に行ってみましょうよ」
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が、ついにこのゴールデンウィークの大安の日に実現した。浦崎さん山ヶ城さんのセッティング〜!!で、ハウリン伊達丸と4人揃って銘酒と創作料理の店「たけや」デビューを果たしたのだ。
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清楚でこじんまりした落ち着きある空間にカウンター席が広がる。僕らは奥座敷で会食の席を設けた。民家を利用した店舗ということで、離れもあるそうだ。なんとも風情がありそうで気になる。

しばらく4人でお品書きを見つめていたのだが、お刺身、揚げ物、焼き物……あれこれと食してみたくて決めあぐんでいると、割烹着姿の気さくな女将が登場。まずはエビスビールで乾杯することに。旬のお刺身盛りを頼み、みんなでいろんな物を食べられる献立を見繕ってもらうことにした。

お〜う!! 透き通るシルクに身を包んだような美しき生春巻きが現れた。続いて串焼きの盛り合わせ、鶏の梅肉がこれまた格別な風味を漂わせ酒が進む。レンコン料理もいけます。いけます。来ました。来ました。お刺身も気品豊かな盛りつけで見て食べて二度美味しいじゃありませぬか。
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「こがん旨か店の、こがん近くにあったなんて…おい日本酒にしゅうかね」と浦崎さんもひどくご機嫌だ。しばらくすると一口サイズのチキン南蛮がテーブルの上に。お〜う、上品な野菜が乗っかって一個ずつ串に刺さってる。「山ヶ城さん!!これってマリンバのマレット(ばち)みたいで可愛いでありませんか!」などと冗談を交わしながらみんなでお口へ運び……「旨い」「旨い」をモグモグと連発。「チキン南蛮って言う常識の変わるね」赤ら顔のロックンローラー、伊達丸も絶品コメントを漏らした。

「そろそろ焼酎にしましょうか」と再びお品書きチェック。えっ!? ……1㏄……3円……!? ……1㏄……4円……!? 「ちょっとみな様方、飲み物を1㏄単位で意識して飲んだことありますか?」「……」「…スポイトは持ち歩かんね」なんと焼酎各種量り売りというユニークなシステムなのであります。とりあえず芋で、ということで「山猫」という焼酎を運んでいただいた。この時点でボトルは満杯状態。お会計の際に目方を量って、減っている㏄×4円で計算するそう。「だから、お好きなものをいろいろ飲んでいただいて結構なんですよ」と女将が上品な笑みを浮かべながら教えて下さった。

「またまた、よかですよね〜」と浦崎さん。「焼酎でアゴば食べたかですね」
「頼みましょう。頼みましょう」この夜、膳の上に並んだ料理はどれも、そのネーミングの想像を超えて個性的。素材をいかしながら、ちょっとサプライズな調理法や盛りつけで胸をときめかせ、舌鼓を楽しませてくれた。
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それぞれ表現することにたずさわっている4人の宴席。「演奏家でなくて表現者になりたいなぁ」みたいな話題に花を咲かせ酒を酌み交わした。目の前に並んだ満足料理もまさしく食という調理人の表現だった。人を感動させる表現力は奥深い、だから人生は面白い。「たけや」は僕ら酔っぱらい4人に笑顔をと明日のエキスを与えくれた。たけやだよりを読んだイメージと、口コミ噂通りの名所だった。(五月)

2008年05月14日

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   【自動車】

そんなに大きな町でないのに、どこへ行ってもやけに自動車が多い。
  
そんなに大きな町でないのに、道路に対して自動車のサイズも大きい。

高速道路がつながるに連れて、一般道を走る自動車の走行スピードが確実に速くなっている。

サイズが大きなうえ窓が黒くて運転者や前方の景色が見えない自動車も多い。
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ところが、自動車の変化に対して道路は昔と変わらない。

たまに歩いてみよう。たまにジョギングしてみよう。

歩道は歩きづらく、走りづらい。人間より自動車が偉いのが分かる。

たまに自転車やスクーターに乗ってみよう。
 
右腕すれすれを猛スピード追い抜いていく自動車は実に恐ろしい。

もはや、原付自転車がトロトロ走る制限速度を保てる公道はないに等しい。走るスペースさえ余裕がない。圧倒的に自動車の方が偉いことが分かる。

ところが、ところがである。「あ〜っ、バイクは邪魔だぜ」「お〜っと、この自転車は危ないぜ」「おいおい原チャリおばちゃんよ、早くいけよぉ〜」
 
とイライラしているのは何を隠そう自動車のハンドルを握っている時のわたし自身なのだ。

乗り物が変われば社会も違って見え「人」も変わるのだ。