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「ライフさせぼとは?」

 
 ライフさせぼとは、長崎県佐世保市市内の情報を紹介しているローカルタウン情報紙です。タブロイド判2色刷りで無料で読むことができ、毎週金曜日発行のウィークリー紙です。

 近年都市圏を中心に大量のフリーペーパーが溢れかえる光景が日常化しました。ネット時代ながら、チラシ広告に代わる紙媒体の戦国時代にも見えます。
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 ライフさせぼは、ミニコミ誌やフリーペーパーという言葉も一般化していなかった昭和52年(1977)に産声を上げました。創刊者がテレビCMのように無料で家庭に届く広告媒体を作ろうと考えスタートさせたのです。

 配布は各家庭への宅配と自由に取っていただく置き配。紙面には商業広告に加え、街の歴史や人物取材、週末を中心としたイベントやショッピング情報、読者の情報交換コーナーなどを盛り込み、地方生活や文化に焦点をおくことにこだわった編集を続けました。
 
 その結果、一般紙の地方面やテレビのローカルニュースにも取り上げられなかった地域性の高い話題やニュース、生活により身近な情報が生まれてくるようになり“街のかわら版”的な存在として親しまれるようになったのです。

 平成元年(1989)“九十九島の景色がある街”をコンセプトに佐世保から見た市外にも視点を広げたカラーB5判の月刊情報誌「99VIEW(ナインティナインビュー)」も創刊。地方の歴史や文化をさらに掘り下げた特集や、オピニオンリーダー的な人物を積極的に取材。中央集中の経済と文化だけでは育めない、地方独自の価値観やライフスタイル、まちづくりなどを発信する新媒体として受け入れられるようになって行きました。

 そして、昨年(2006)に年2回の季刊誌「WeWe(ウィウィ)」が新たにデビュー。この媒体は地方にマッチしたブライダル情報を軸に、佐世保での出会いや結婚生活、幸せを読者と共に考えるローカルカップルマガジンを目指し走り出しました。まだ初々しい次世代向けのフレッシュな雑誌です。

 以上が、15年間紙面づくりに関わらせてもらっている僕が知るライフさせぼの歴史です。どうして今更「歩み」を書き記したかと言うと、ライフの誕生日が12月16日(日)にやって来るからです。ちょうどこの日で30歳を迎えます。

 
思えば、僕が初めてこの情報紙に出会ったのはライフがまだ3、4歳だった80年代初頭。場所は東京都武蔵野市のアパートでした。佐世保から上京したミュージシャンの引っ越しを手伝ったおりに、彼が「こい知っとる? 佐世保におもしろか新聞のあるっちゃん」と差し出したんです。赤いロゴがとても印象的でした。特集記事は「佐世保弁番付表」。東京での旧友再会の席で、お国言葉に盛り上がったのを覚えています。

 まさか、そんな自分が将来、「佐世保弁辞典」や「ドクター佐世保弁」の記事を書いているなど想像もしませんでした。不思議な縁も感じ、創刊30周年の記念日にちなみ、個人的にその歴史を振り返ってみました。 (師走)

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※最後にこぼれ話を一つ書き添えます。地元でよく読まれているタウン紙ですが「ライフ佐世保」と漢字で覚えている人や「ライフ新聞」と口ずさむお年寄りもいます。ところが「させぼ」がなくても「ライフ」で幅広い世代の皆さんに通じる新聞です。ちなみに月刊誌は年配の皆さんに「キューキュー」や「きゅうじゅうきゅう」のニックネームでも可愛がられています。

※最新号12月14日(金)発行のNO.1447は読者のみなさんの想い出などで綴る創刊30周年記念号です。ぜひご覧下さい。