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「佐世保ばやし」

 先月、このノートで書いた「九十九島の音楽」について新たな情報が舞い込んだので、追って報告することにした。

 平和堂レコードの倉庫に眠っていたシングルレコード、昭和50年代に佐世保レコード商組合がレコード会社に発注して製作したと記した「佐世保ばやし」についてである。実はこの曲それより、およそ10年前にすでにレコード化されていた事実が分かった。

 写真がそのジャケットだ。前回紹介した昭和53年リリース版は、歌手ではなくて、島々を見下ろすカップルを主役扱いしていたのに対して、こちらはデビュー間もないチータこと水前寺清子さんを大々的に使用しているのが特徴だ。suizennji.JPG

 資料を提供してくださったT氏の記憶によると、昭和40年代初め、佐世保の歌を広めたいと「佐世保婦人会議所」のメンバーたちが取り組んで生まれたレコードだったようだ、ということである。確かにジャケットの右上に「佐世保婦人会議所選定」というコピーがクレジットされている。

 レコードに製造年月日は記録されていなかったが、歌詞カード下に「佐世保玉屋」の広告がプリントしてあった。「バラは愛の花ことば 感謝はタマヤの合ことば」というコピーの横に創業50年の記念ロゴが入っている。そこに1967の数字を発見。村上龍の「69」の2年前、昭和42年に製作されたものであることが伺える。

「昔から町内の盆踊りで流れていた」「今も東浜町の夏祭りで使っている」という年配の方々からの声もあり、もう一枚の原盤があるのかもしれない…と、推測していた矢先、T氏が自宅に保存していた当時のレコードを見つけ出し、ジャケットをカラーコピーして送ってくださり、謎が解けた。

 という訳で、本日のトリビア。国民的大物歌手、水前寺清子が若き日に佐世保市の名所である九十九島(くじゅうくしま)などを歌った「佐世保ばやし」のシングルレコードは昭和42年版と53年版の二種類がある……へえ〜ぇ へえ〜ぇ へえ〜ぇ……の「90へぇ」。


※「九十九島と音楽」はこのノートからスピンアウトしてライフさせぼ発行の月刊誌「99VIEW」12月号(12月8日発行予定)で特集記事を組むようになった。       (霜月)