« 「鬼木棚田まつり」 | メイン | 「古武術に感じたこと」 »

a001514

「合同還暦式」

7107.JPG 平成19年10月7日(日)、ここ佐世保市で「成人式」ならぬ「佐世保市合同還暦式」という初めて耳にする式典が開かれた。還暦と言えば、60年で再び生まれた年の干支に還るお祝いの年。赤いチョッキなどを羽織って、家族や親類縁者で「おめでとう!」と60年間の労をねぎらうのが常である。が、なんとアルカスSASEBOの大ホールに一堂に会し合同でセレモニーを開催するというユニークな企画だ。

 これは行政が仕かけたイベントではなく、昭和22年生まれの人々が、1年前から「昭和38年卒業佐世保市内中学校連合同期会」といチームを結成して準備を進めてきた市民による手作り大同窓会である。会場には「セカンド・ステージ・キックオフ」とバックプリントした赤いTシャツを着た約100名の実行委員会メンバーたちがスタンバイ。卒業校別に受付を行いホールに1000名を越す60歳が県内外から集まった。
kanreki.JPG
式典では花園中学校卒業生の女優・白川和子さんをはじめ3名の同期仲間が講演。佐世保市の60年を映像で振り返る「60年の歩み」の上映、アトラクションなどで構成。この趣旨に賛同した歌手の、さだまさしさんからビデオメールも映し出されるサプライズ企画もあり、さださんの「還暦を機会に何かを起こそうという気持ちに感激しました。長崎、佐世保から始まるのが嬉しい。60になったら還暦式に出るぞ!この一歩は実に尊いものだと思います」という応援メッセージに熱い拍手が湧き起こった。

 昭和22年に佐世保に生まれた人は約7200人。いわゆる団塊の世代の人だから僕らと比べ同級生の数が圧倒的に多い。集団就職、受験戦争、学園紛争、いざなぎ景気、バブル崩壊など戦後の日本社会を群れで走ってきた世代だ。そんな彼らが定年の年を迎えた。が、今の60歳はまだまだ若い。還暦を機に「これまでの人生をどうまとめ、残りの人生をどう生きるか」をそれぞれ考え、次の世代に何か残そうという強いメッセージを秘めたセレモニーに仕上がっていた。tsiyatu3.JPG

 社会から受け身で開いてもらう成人式から40年を経た今、人生を積んできた人々が自発的に開いたを還暦式。タイトル通り、群れでセカンド・ステージにキックオフを放った。人生において成人式よりも意味が深く感じた。60歳からの人生ステップイベントとして各地に飛び火するか? 60歳になっっても何かやろうとする、団塊おやじ、おばちゃんパワーはまだまだあなどれないのである。  (神無月)