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「亜細亜的電影談07」

 
 ライフさせぼ9月7日号(No.1433)より年に一度のシリーズ企画、醤(じゃん)キエロ氏と私の対談『亜細亜的電影談07』の連載が始まります。今年のシリーズロゴが完成しましたので雑記帳にもアップップ〜ッしておきます。
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 これはアルカスSASEBOが毎年主催しているアジア映画祭の作品の見所などをクローズアップするシリーズです。上映作品の選出を担当しているキエロ氏と私の対談は、しばしば解説やあらすじから脱線して、独断と偏見による映画的面白さや個人的な好みに向かって暴走してしまうことがあります。

 そんな二人の共通点は大酒飲みで、全国区の食文化よりローカルな食文化が大好きな所です。魚を中心にした地方の海の幸、山の幸で飲んでるときが、一番ごきげんです(ちなみにキエロ氏はサルサのレッスンにも夢中でお姉様方と腰をフリフリしている時も超ごきげんです)。

 二人共に映画もハリウッド風大作より我が日本の映像文化や近隣アジア諸国の作品を好む傾向にあります。キエロ氏は最近よく「アジア映画を通して自分の立ち位置が見えてくる」と繰り返します。
 
 昨年観た中国の『世界』という作品で、オリンピックに向け急成長する大都市北京の繁栄の裏で私たちと似た葛藤を抱えながら生きる若者の姿を貝間見ました。最近問題化している中国の食や公害問題を暗示していたかのような作品だったとも思えてきます。
 
 宇宙やビル群をクリーチャーが飛び回る娯楽作品も決して悪くはありません。CGを駆使したアジア映画もたくさんあります。ただ私たちにどこか似た血を感じる人々が同じような悲しみや喜びを感じながら生きている姿がよく見えてくるのがアジア映画の方が多いと思います。世界の中のアジア、そして日本、社会の中の自分の立ち位置がぼんやり見えてくる……それがアジア映画のもう一つの面白さなのかもしれません。

キエロ氏は今年も芸術性より娯楽性を重視したクオリティーの高い6作品をプログラムでき、かなり満足している様子です。そんな彼が自信満々で挑む映画祭の中で特に韓国の『トンマッコルヘようこそ』と沖縄の『恋しくて』の2作品はおすすめ。今私たちが求めている“日本の原風景”の中にあった人と人のつながりや優しさが秘められていて、観て大変心地よい作品になりそうです。

 それでは皆様本年も『亜細亜的電影談07』を宜しくお願いいたします。  (長月)