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「ぽると」

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 以前、長崎市在住のロックンローラー、狩須魔緒さん(ファンタージーズコアのヴォーカリスト)と話しをしたとき、「あのネオンの中にレコード会社を作るのが夢だったんですよ」と語った。その憧れの延長で「ポルトレーベル」というレーベルを立ち上げたということだ。
 
 残念ながら、かつて戸尾町上空にそびえた、このボール型看板は15年前(H4・春)に老朽化にともない撤去されてしまった。ビルの屋上で佐世保の名菓「ぽると」をアピールした大型球形ネオンだ。
 
 銀座にあった森永製菓のネオンをヒントに昭和40年頃建造された。もちろん企業の広告塔なのだが、昭和という時代の中心市街地を輝かせた実にシンボリックな存在だった。

 昭和の佐世保人は、消費者金融の看板ではなく、ちゃんぽん、ラーメンの香り漂う駅地下街やアーケードを歩いたり、このネオンを見たときに「佐世保に帰って来たぜ」と実感していたのである。

 玉屋のおもちゃ売り場を見下ろせるレストランや屋上のモノレールと同じく、僕ら“20世紀少年”に夢を見せてくれたシルバーメタリックの「ぽるとボール」。それは「ウルトラマン」の科学特捜隊、「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊に通じる近未来感をも放っていた。現在この一角は開発で新地になった。当時の名残りはなにもない。  (如月)