« 「アーケードで、あとしまつ!?」 | メイン | 「ピカデり」 »

a000750

「父の進化論」

sevenstars.jpg  おもちゃ屋さんに堂々と行ける。仮面ライダーやゴジラ、戦隊シリーズに少年時代のときめきが蘇る。今まで知らなかった、ぬいぐるみやリカちゃんの魅力も分かってくる。
 教育テレビの子供番組に詳しくなる。童謡、アニメ主題歌、みんなのうたを口ずさめるようになる。
 
 キャラクターショーで開演まぎわに駆け込んで子供を肩車。もっと早く来ればよかったとキャラクターショーデビューのときちょっと後悔する。
 しかし「ガンバレー!」とステージに大声を発する子供たちのエールを励みに最後まで肩車で頑張ったときの達成感はなかなかだ。慣れてくるとショー終了後の物販や記念写真、サイン会にも素早く移動することを学習。手際がよくなる。
 
 ムシキングはともかく、ラブ&ベリーのファッションアイテムの組み合わせに思わず「そいはなかやろ!」と背後から声を出してしまうようになれば、かなりの進化と言えよう。絵本や童話を何十年ぶりに読んで胸がキュンと熱くなることがある。
 休日、遊んでも遊んでも疲れを知らない子供に「まいったぜ、仕事の方が楽だぜ」と逃げ腰になるときもある。
 
 運動会ではビデオばっかり撮っているので、時々どの子が自分の子か見失う。保護者リレーの選手を頼まれて渋々出てみると入場門に陸上やってたようなスポーツマンタイプの父がいっぱい。びびる。
 クリスマスイブのサンタデビューは子供に気づかれないか……ミッション・インポッシブルみたいな緊張感だ。
 
 時が流れ、子供の宿題が解けなくなってくる頃、誰も一緒に風呂に入らなくなる。テレビのチャンネル権がいつの間にか子供中心になっている。
 子供の衣類のグレードが自分のものより上になっていく。やがて背丈も靴のサイズも抜かれる。
 
 ……ミルクや湯舟の温度を気にしながら接した記憶ももう遠い過去。紙おむつの付け方も覚えたよな〜、風呂の中でウンチされたこともあった。夜泣き、高熱、日晴れ、七五三、卒園、ランドセル……。
 
 エ〜イ!!  父よ! まだまだ進化しようぜ!  (霜月)