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「ウクレレを抱いた渡り鳥」

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 先日、「ウクレレを抱いた渡り鳥」こと藤井康一さんのライブを初体験した。ワイワイ緒方さんの大プッシュアーティストなので「生をこの目に焼きつけとかんば」と、正直少し義務感に肩を押されて、できたてほやほやのライブハウスROGIQへ向かった。
 
 ところがどっこい、こりゃ凄い。観てよかった。久しぶりにライブの面白さが全身に蘇り、鈍っていた五感を覚醒した。これぞ舞台、表現者、エンターテイメント。佐世保でこのような一流芸を観ることができるとはラッキー。これは、私が最も好むロックンロールの「気」を発している表現ではないか。
 
 ウクレレに、ボイスパーカッション、ボイスサックス、ボイスエコー、ボイスエフェクター、ボイス効果音……たった一人で会場を笑いで包み「気」を飛ばす。牧伸二さんを師匠とあおぎ、ウクレレを弾き始めたそうだ。昔テレビで観た牧伸二さんのオリジナル漫談ネタまでカバー「やんなっちゃった」は時が経っても絶品だ。
 
 客席でごきげん顔だったスーツ姿の社長さんや、弾き語り詩人の友蔵様までステージに上がり「チャンポンダマンボ」「テキーラ」に合わせダンス・ダンス・ダンス。アルカスのホールではなく、佐世保に今までなかった小劇場的空間もいい演出効果を放っていた。会場全体が笑顔を共有できる極上のライブパフォーマンス。たった1本のウクレレで世界を飛び回り、歌で笑える逞しき想像力に栄光あれ。   (霜月)